ザビアチカ(豚の解体)を終えて 

スロバキアの冬はなんといっても「ザビアチカ」。そう、豚の解体をやります。本来は自分の家で育てた豚を殺すのですが、最近は「買ったほうが安い」という風潮にあり、わざわざ「臭い」小屋を掃除したり、飼料を買ったりするコストを考えると、農場から豚を買ってきたほうが、安くつくと思われています。

さて、今回は、ブラチスラヴァに住む友人が「自家製のソーセージが食べたいから、やろう!」と発起人になり、豚代を払ってくれるというので、我が家は調味料や人件費を持ち、2家族分として2匹の豚を解体しました。


自分の家でやるのは初めてなので、こんなに準備が必要だとは知らなかった私。


ラドは1週間前から地下の大掃除を始めた。ここで精肉にしてゆくためだ。大きな鍋や、たらいを借りたり、外でかまどを立てたり、ソーセージに入れる調味料や食品を買い込んだり、一番大事なのは、パレンカと呼ばれるアルコール度が30~40もする、強いお酒を準備すること。

こんな作業、シラフではやっていられない??


当日やってきたのは、2匹がすでに半身になっていた小ぶりの豚だった。内臓はすでに切り取られていて、肝臓だけが体にくっついていた。体の毛もきれいに剃られていた。この農家さん、とっても親切でした。P1089358-a.jpg


いつもは、胃袋にいらない肉片を詰めて茹で上げる料理も作るが、今回は無し。私、これ好きなんだけどなぁ~、残念。

ラドが農家に頼んだのは、「血」を持ってきてね!と。普通、豚を電気や銃で殺した後は、吊り下げて血を確保する。Krupina地域では、この血で料理を作ります。

今回は、前の晩に血を冷凍させておいたものを持ってきてくれたので、「グロテスク」には感じなかったけど、血ってやっぱり紅い。そして、豚の血はゼリーやババロアのように固まっていた。当然なのかな?知らなかったよ、これも。

それをお湯で茹でると、しっかりした塊になる。これをチーズおろし器のようなもので細かくして、茹でたジャガイモと炒めたたまねぎと混ぜてて出来上がり。見かけの色はムラサキなんだけど、味はコロッケみたい。パンと一緒に食べます。かなりおいしいです。

料理を作るのは、女性の仕事。その間に男性は、豚の処理を始めます。顔の目玉をとったり、耳を切ったりするのは、ラドパパの仕事。どの部分をどうやって処理してゆくかは、「マイステル」と呼ばれる、肉に詳しい人がやります。
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ヨーロッパって、職人さんとかを「マイスター」って呼ぶじゃない?あれですね。台所を仕切る女性やその家の主婦は「ガズダ」と呼ばれます。今回は私が「ガズダ」なんだけど、私?食器洗い専門でした。


我が家の場合、1年に一度の行事なので、「何をどうすればいいのか。」を覚える間もなく、忘れてしまう私。スロバキア人は幼いころからやっているから、経験を積んで覚えてゆくのでしょうが、私の場合、門外漢?全然だめですね~。



そうそう、このごろは豚の腸も洗わないで、買ってくる時代になってるし。

初めてのザビアチカで、何が一番ショックだったかといえば、豚の腸を洗っていたことです。当然、大腸までつながっているから、大便を捨て、そこにたどり着くまでの小腸からの道も、指をいれて、洗うんですねぇ。寒い中、外に出て、水を流しながら、「腸を洗うのは女性の仕事だから」と、ラドママがやっていたのを見て、「う~ん」とうなることしかできませんでした。だって、本当に臭いんだもん。そして、意外と腸って、強い、頑丈でなかなか切れないんです。今回は買ってきたので、ただ洗うだけ。本当に楽させてもらいました。ちなみに、腸はソーセージを作るときに使います。


初回のときのカルチャーショックこそ、もうありませんが、「ガズダ」として、仕事が夕方までに終わらせるように、男性軍がお酒を飲みすぎないように、注意しながら食事を出すのが重要なことだと、今回は学びました。

ラドの友人は仕事が忙しくて、結局来なかったけど、まあ、親戚が手伝ってくれたので、なんとか作業も終わり、
できたてソーセージや肉を焼いて食べました。自家製は余計な調味料が入っていないので、ヘルシーな味でおいしいのです。

肉は冷凍庫に保存。ソーセージは干したし、パテも作ったし。

昨日は日曜日で作業をしない日だったので、燻製室にぶらさげたり、肉を塩につけたり。今日はこれから後片付け。ベーコン、ソーセージやハムは2週間くらいしたら出来上がります。


食べに来る?







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コメント

えこちゃん

銃で撃つもの大変なんだよね~。みんなで押さえつけてさ。ラドが子供の頃、撃った豚が逃げ出して、村中を走り回って、血が全部流れ出ちゃったから、血を食べられなくなった上、豚を探しでいたら、午前中が終わっちゃって、その間おじさんたちは、怒って飲み始めるから、かなり時間のかかるザビアチカだったと、思い出を語ってくれたことがある。笑い話なんだけど、笑えないような。

ラドの親戚は電気技師が3人くらいいるので、みんな2本の針を豚の肩に刺して、ショック死させるよ。最近は。


ザビアチカ15回は体験して無いよ。親戚のやっているところに、遊びに行ったりはするけど、今まで子供たちも小さかったし、邪魔になるだけだからさ。出来上がったものをもらうだけとかね。ちゃんと作業に参加したのは、多分5回もない。いつも写真係り!逃げ回っていたかも。ははは。

血を食べるのはこの辺りだけみたい。
西部スロバキアは血のソーセージだよね。お店でも見かけるもん。

えこちゃんのだんなさんちのほうは、わりと都会だから、豚を飼ってはいけない地域なのかもね。町の旧市街地域とか、民家が密集しているところは禁止でしょ。

写真をとるのを忘れちゃうんだよね。がんばりまっす。

golferさん

噛んでも飲み込めない腸はきっと大腸か胃でしょう?なんちゃって。

ソーセージは焼いたら皮は柔らかくなり、香ばしくておいしいですよ。というか、市販だから使いやすい部分しか売っていないのでしょうね。

殺した豚の腸は、中身を捨てても臭いが強いので、ソーセージの風味を出すのにも、かなりいい味だしてくれますよ。

そちらでもやりますか?解体?

生肉のミンチって、食べません。豚の肉を食べるんですか?生で?それは勇気がいりますねぇ。

牛肉ならわかりますが、、、。「タタールステーキ」って、メニューもあるし。でも、きっとタタール軍にちなんでだから、牛肉であって欲しいなぁ。

golferさん、まだまだ寒波の再来ありでしょうから、油断できませんよ。体力づくりに励んでください。私もラジオ体操を始めました。

ばたさん

ねえ、ばた。今さ、クイーンズランドは洪水でひどいことになっているみたいだね。大丈夫なの?

シドニーだから関係ないだろうけど、プチ旅行って、まさか?クイーンズランドって、心配になったわよ。

オーストラリアは何もかもがダイナミックだから、自然災害はものすごいだろうね。人間が歯向かえるような、規模じゃないでしょう?

あれは、ラドパパじゃないの。ラドママの弟。サンタクロースそっくりでしょ?facebookにも載せたから、旦那さんにみせてもらってね!

ご馳走するよ、遊びに来てね!

田舎に住んでる特権ですね~。いいなー。
体験してみたかったな~。ワタシは銃で撃って、
血を流してってオーソドックス?なのがやってみたかった。
旦那がザビアチカ田舎じゃないとやらないよー
でも、本当に自家製豚は最高にうまい!と言っている。笑
ポンセさんって、スロバキア在住15年ってことは
ザビアチカ15回目ってこと?
クルピナの血と玉ねぎとじゃがいもって?旦那は知らないって。
血から作るソーセージは知ってるけどって。
ワタシ、ポンセさんにリクエスト!
もっと写真いっぱい載せてほしい。
特に料理。
ワタシと旦那で二人で読んでますから。
もっとスロバキアねた下さい。

豚解体

いつもいつも楽しい文章
ありがとうございます。

今回は解体の終わった豚ちゃんでしたか?

腸は硬いですね!噛んでも噛んでも
飲み込めませんね!

まだ血の塊は食ったことないです!
しかし豚生肉のミンチはおいしいですね!

こちらやっと雪が溶け芝生がみえだしました!
初打ちももうすぐです。

今頃ですが、明けましておめでとう。
急にプチ旅行に出かけたからちょっと留守してました。

真っ二つに分かれた生豚の尻尾掴んでピースで笑顔のサラちゃんが一番印象的だよ。
ラドパパも初めて見た、って、あらっ、1回会ってるはずか。

どこの家庭でもこれ普通なの?地下室とか燻製室とかあるの?

作業中は絶対遊びに行かないけど、料理されたものはぜひご馳走になりに行きたい。近かったらなぁ。

今年もがんばれよ、ポンセ!

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